【お役立ち情報】言語について① インドネシア語

他民族国家インドネシアには民族の数だけ言語があります。
そのなかで、共通言語 = 国語として指定された言葉が ” インドネシア語 ” です。

現在インドネシア語となっている元の言語は昔、インドネシアやマレーシアで交易する時の共通言語として使われていた言語だそうです。それが1,900年代初頭にオランダの支配に対して反骨機運が高まるにつれ、民族団結の手段の一つとして共通言語が必要になり、交易で広く使われていたこの言語を共通言語にしようとする動きが生まれました。
その後、一時期、旧日本軍がオランダの代わりに支配した時代があり、敗戦により日本軍が撤退した後、インドネシアは全面的にオランダとの独立戦争に入ります。より一層、” 一つの国家インドネシア ” としての意識を強めるため、再び共通言語の重要性が説かれ、ようやく正式にこの言語が ” インドネシア語 ” として認定されました。これを主導したのはインドネシア初代大統領のスカルノ大統領です ( デヴィ夫人はこの人の第3夫人です )。「どの民族の民族語も国語としてはいけない。国語にするとその民族が全体を支配するようになるからだ」という民族平等の精神が、このどの民族語でもなかった言語を国語とする土台となったとのことです。

このような背景があるので、インドネシア語はマレーシアで使われているマレー語とほとんど同じ。発音や使う単語など細かい違いがあるものの、インドネシア人とマレーシア人はお互い母国語で難なくコミュニケーションできるようです。

インドネシア語はとてもシンプルな言語だといわれています。
面倒な時制や謙譲語・尊敬語はありません。文法も比較的簡単、文字はローマ字、発音もそのまま読めば通じます※。
「簡単である」ということは ” 人選 ” 国語にとってキーポントだったんだと思います。インドネシア語は ” 誕生 ” からまだ70年ほどですが、学校教育やラジオ・テレビなどの公共メディアもすべてインドネシア語に統一したことが功を奏し、現在ではインドネシア全土で若年層だけではなく、ずいぶん年配の方まで広く使われています。
※ LとRはどちらもラ行の音ですが、Lは日本語のラ行に近いのに対し、Rは思いっきり巻き舌のラ行です。
※nとng、日本語で書くとどちらも「ん」ですが、インドネシア語では区別して発音しています。
※Cはチの音のみで英語のようにカ行の音になることはありません。例えば、洗う = Cuci は「チュチ」と発音します。カ行の音はKで表示されます。

インドネシア語にはイスラムの影響を受けた言葉があります。その代表格が ” Selamat “。これはイスラム教では平安と安泰という意味があるそうですが、インドネシア語では、Selamat pagi ( おはよう )、Selamat jalan ( さようなら ) など日常の挨拶で登場したり、Selamat! ( おめでとう!) という意味で出てきます。

また新しく入ってきた物・概念については、英語をちょっとインドネシア風にアレンジしてそのまま使用しています。例えば、警察 = Polisi ( ポリシ )、救急車 = Ambulan ( アンブラン )、コンピューター = komputer ( コンプター )、コンディション = kondisi ( コンディシ ) などなど。

簡単なので旅行中、こんにちは・ありがとうなど頻出フレーズをインドネシア語でトライしてみてください。
こんにちは = Halo ( ハロ )
ありがとう = Terima kasih ( トゥリマ カシ )