作者は軍属の報道員としてジャワに入り、日本軍政下で9ヶ月ほど滞在し、ジャワとバリを巡りました。
その体験を書いたのがこの本です。
戦中に発表された文章なので、「ん?」と違和感のある表現があるのは否めませんが、当時のジャワの風土や人々の様子の一端が紹介されていて面白いです。
現在のジャワはわりと親日的で、「日本軍は酷かった」と声を大にして言う人はほとんどいませんが、戦中に日本軍がジャワで何をして、何をしなかったのかということは日本人として知っておいた方がいいのは確かです。そういう意味では、この本は軍政下に日本軍の指令を受けた作者がリアルタイムで書いたものなので、とても貴重な資料と言えると思います。