私用でディエン高原近くの町・ウォノソボ Wonosobo に出掛けました。用事が終わり、ボロブドゥールへ向かう途中、たまたま通りかかったのがこのボガン寺院でした。
首のない仏像1体と菩薩像1体が ” ジョグロ ” というジャワ伝統様式の建物 ( 柱と屋根だけで壁がない建物 ) の下に安置されているのが、道路から見えたのです。
作業をしていたおじさんが招き入れてくれたので見学させてもらいました。守衛だというそのおじさんの話とパネルの説明だと、このボガン寺院は、1982年、家の土台を作ろうと土を掘り起こしていたところ、地中から4つのパートに分かれた石像 ( 頭が2つ、胴体が2つの計4つ ) が出てきた。頭はボロブドゥール遺跡公園内の研究所で保管し、胴体部分だけをここで ” ボガン寺院 ” として展示している。
名前は一帯の村の名前から付けられている。
歴史的なことなほとんど何も解明されていないが、ボロブドゥール寺院を造った仏教王朝が造ったもので、ボロブドゥール寺院群建立前に着工した。だが寺院としての機能をムンドゥッ寺院に移すため、未完成のまま放置されたと考えられている。( 仏像の頭部と胴体部を合わせるとムンドゥッ寺院に現存する仏像に匹敵する大きさとなることから、このような説がたてられているそう )
え・・・?
何気にすごくない?
こんな半露天の、雨にも風にも晒されるような場所にポツンと置いておいていいものじゃなくない・・・?
わたしは遺跡マニアでも、仏教マニアでもありませんが、今、自分の目の前にあるものの秘めたるすごさに震えました。
なぜ、ここなのか ( ボロブドゥールから車で約2時間。山を越えた先の辺鄙な場所 )?
誰が、いつ、なぜ、この仏像と菩薩像を土の中に埋めたのか?
ミステリーです。
だからこそ、面白いです。