【旅日記】2019年12月30日 1日まるごと文化体験 ( 同行 )

シャーマンが剣や石を清める儀式のために使うジャスミンの花とお線香。

今回のツアーは飛び級の変わりネタです。
20代の女性1人旅のお客様から面白いご依頼。
「孤児院訪れたい」
「シャーマンに会いたい」
ということで、ルートや教室の時間の関係もあり、ジョグジャカルタ第1日目は定番の寺院には行かず、シルバージュエリー制作教室 + シャーマン訪問 + 孤児院訪問という濃ゆ〜い内容となりました。
しかも昼食と夕食はどちらもローカルに大人気の超ローカルフード。
ディープジャワここにあり。まさにそんな1日でした。
【 日程 】
10:35 アジスチプト空港にお迎え。
10:35 – 11:10 コタグデへ。
11:10 – 12:00 Bakmi Mbah Gitoで昼食。
12:00 – 12:35 コタグデの町をドライブ。
12:35 – 13:45 シルバーアクセサリー制作教室
13:45 – 15:30 ボロブドゥールへ。
15:30 – 18:00 シャーマン訪問。
18:10 – 19:00 Tongseng Jamur Kang Aminで夕食。
19:10 – 21:10 孤児院訪問。
21:25 ボロブドゥールのホテルにお送り。

シルバージュエリー制作体験
コタグデは今ではジョグジャカルタ市の一地域ではありますが、15世紀ごろに新マタラム王国の都があり ( 今のジョグジャカルタ王宮がある地域よりも歴史が古い )、昔から銀細工が盛んな場所です。昼食の後、少し早めにシルバーアクセサリー教室に着くと、予約はお客様のみとのことだったので、そのまますぐにマンツーマンレッスン開始。フレンドリーな指導や本格的な工具を使えることも魅力ですが、誰にでも似合い、日本やほかの国でも違和感なく着けられるシンプルモダンなデザインのものがたくさん用意されているのがいいんですよね。参加者が数人いると2時間かかるところが1対1だったので1時間ちょっとでリングが完成しました。

シャーマン訪問
こちらでは21世紀の今でもほとんどの人が魔術を信じていて、例えば結婚式の日に晴れになるように掛ける罪のない魔術から人の健康や命に掛ける黒魔術まで色んな種類の魔術があるそうです。
今回は、小さなころから父親の影響で不思議な力を持っていたという初老の男性に会いに行きました。普通の村の普通の家に普通に家族と暮らしている人で、見た目も恰幅のよい普通のおじさんで、家着のタンクトップと短パンで登場し、パッと見には、はっきり言ってシャーマンっぽいミステリアスな雰囲気は皆無(笑)。お客様もイメージとはかけ離れた人の登場にズッコケそうになったことと思いますが、軒先のテーブルで話を聞き、実際に不可思議な現象を目の当たりにしたりするうちに、時には鳥肌が立ったり寒気がしたりするほど、このおじさんの存在と話にのめり込んでいきました。
この日はたまたま、このシャーマンが儀式に使用する剣や石を清める日 ( ジャワには独特の5曜日があり、このシャーマンはジャワ曜日の特定日が火曜日または金曜日に合う日は真夜中に清めの儀式を行うとのこと。清めの儀式を見学できないかと聞いてみましたが、災いを及ぼす可能性があるのでダメだとのことでした )。
ムラピ山やパラントゥリティス海岸、そしてボロブドゥール寺院周辺など昔から霊気が宿ると考えられている場所には今でもシャーマンが多くいるそうです。
こちらに越してきてから数回、黒魔術に関する話を聞いていたのですが、ジャワ魔術は深入りすると元の場所に戻ってこれないほど深遠なものかと思い、興味はありましたが距離を置いていました。でも今回実際に会って話を聞いてみると、ジャワの魔術はいまでも日常のなかにあり、正しい人につけば導きになるようなポジティブなものなのかな~とも感じました。

孤児院訪問
ボロブドゥールには4つほど孤児院があります。
今は学校が休みなので、昼間は子どもたちが課外アクティビティに出ているということだったので、夜にお邪魔しました。今回訪れたのはイスラム団体が運営する男子寮で、小学校低学年から高校3年生まで約70人が生活しています。
「孤児院」と呼んではいますが、いわゆる「孤児」だけではなく、実親が何らかの理由で育てられない子も身を寄せています。ボロブドゥールがあるマグラン県出身者のみではなく、遠くはフローレス島出身の子もいました。
1日の5回目のお参りが終わった後、ホールに集まってくれ、交流会の時間を作ってくれました。日本人を見たことはあっても話すのは今回が初めてという年頃の男の子たちはシャイでなかなかワイワイという雰囲気にはなりませんでしたが、約1時間ほど孤児院での生活などについて話をしてくれました。