夏休みを取り、2歳9ヶ月になった息子を連れて東ジャワに行ってきました。東ジャワと言ってもメジャーなブロモやイジェンではなく、マドゥーラ島・スラバヤ・パスルアン・バトゥとマイナーな場所ばかり。旅のテーマは動物。マドゥーラ島の牛レース ” カラパン・サピ Karapan Sapi ” とパスルアンのサファリです。それにちょこっとスカルノ大統領の生家やヒンドゥー教寺院遺跡などもプラス。
仕事も極力セーブし、夫・息子との時間にどっぷり浸った初めての家族旅行でした。
10月4日
朝4:00起床。5:15出発。
今回もトヨタのInnovaを使います。車内で息子がゆっくり過ごせるように中列・後列の座席をすべて倒し、その上にいつも使っているマットレスと大好きな毛布を敷き特別仕様にしていざマドゥーラ島へ。高速に乗る前に食堂で朝食、高速上で1回トイレ休憩を取り、スラバヤ市内がちょっと混んでいましたが、11:45にマドゥーラ島上陸。
大きなレストランで昼食を食べ、13:00ごろに2泊するゲストハウス VELLDAN Guest House に到着。牛レースがある町・バンカランではほとんど宿の選択肢がなく、あまり期待していませんでしたが、部屋は広く ( ダブルベッドが2つある )、清潔でアットホームな感じ。ホットシャワー付、朝食込みで1泊1室 Rp 300,000ならものすごいコスパ高いです。荷物を部屋に運び、息子と遊んで、ちょっと昼寝…のつもりが、がっつり昼寝してしまい、起きたらすでに16:00…。
ということで、16:30ごろから塩田を見に行きました。マドゥーラの塩って日本でも販売されてるんですよね。島の色んなところで作っているそうです。夕日の時間帯でしたが、まだ作業中の方がいて見学させてもらえました。海水をビニールが敷かれた田に流し込み、乾燥させるだけのシンプルさ。10日ほどで塩が取れるようになるそうです。雨が降るとだめなので、乾季しか生産されません。一欠片を口に入れるとやっぱり相当濃い海の味がしました。
10月5日
朝8:00からフェスティバル・サピ・ソノ Festival Sapi Sonok というイベントを見に行きました。これは明日の牛レースの前哨戦です。サピはインドネシア語で牛、ソノはマドゥーラ語で牝という意味。つまりミスマドゥーラ牛コンテストです。血筋・容姿とも揃った牝牛がマドゥーラ島各地から選抜されて集まってきています。見るからに気高く賢そうな牝牛が2頭1組で楽団と一緒に行進しているのを1時間ほど見ました。近くで牛が見られて、いやが応にも明日のレースへの期待が高まります。
その後は、ブキッ・カプール・アロスバヤという場所に行きました。マドゥーラ島全土で建物の資材によく使われているのは石灰岩のレンガ。このブキッ・カプール・アロスバヤは石灰岩を切り出した跡地です ( すぐ近くでは今でも作業をしており、コンコンコンと削っている音が響いていました )。切り出していった結果、意図せず面白い景観となったようです。奥に奥に入っていくと地底世界のような、アメリカのアンテロープのような ( 言いすぎ? ) 不思議な光景の連続で、見応えがありました。
昼食を食べた後は部屋に戻り、親子3人で昼寝。
17:00ごろからまた町に出て、アートギャラリーでバンカラン産のバティックを1枚購入しました。今夜はバンカランのスタジアムでマドゥーラとバンドンのサッカーの試合があり、多くのサポーターがマドゥーラ全土から集まっていました ( 試合はマドゥーラが2-1で勝ちました )。帰りに牛レースが行われる専用スタジアムを通りかかると、すでに夜をスタジアム前で過ごす熱狂的ファンが集まってました。
10月6日
朝8:00前に専用スタジアムへ。片側1車線の狭い道路は大混雑。
専用スタジアムといってもだだっ広い野原です。最初はウォーミングアップ。十数人の男たちに引かれ2頭の牛が入場し、試走します。
牛は片目だけを目隠しをされていたり、クリームを塗られたりしています。これは、牛がまっすぐ走るためだそうです。どのチームもジョッキーがまだ小学生の男の子だということに驚きました。
会場には座るところなどは全くなく、日陰も全くなく、子連れにはハードルが高かったです。結局ウォーミングアップと本戦のための準備を見たところで退散しました。それでも、「これでこそマドゥーラの男たち!」という感じの猛々しい文化を感じられました。
ただレースは多くの人に交じって遠くからしか見えません。そして走る牛は早すぎて素人では写真が撮れませんでした(笑)。
昼食に、マドゥーラ料理のナシ・スルパンという磯の香りたっぷりのローカル飯を食べ、土産屋でマドゥーラ島のお土産を買い、バティック店でバティック2点を買い、スラマドゥ橋を渡りスラバヤに戻ってきました。
スラバヤのシンボルであるスロボヨ・モニュメントをさらっと見て、15:30ごろ本日のホテル Singgasana Hotel Surabayaに到着。設備は古いですがゆったりした造りで、市中心部のシティホテルよりも子連れには良さそうだったので選びました。( 子ども用の大きなプールもあり、ファミリーが結構いました )。
10月7日
今朝は朝早くから1人エクスカーション。
オンラインバイクタクシーに乗りスカルノ大統領の「本当の」生家に行って来ました。スカルノ大統領の幼少時代のことはスハルト大統領時代に真実から少し変えられて語られたようで、生誕地についてはスラバヤ説とブリタール Blitar 説の2つが在ります。
スラバヤの生家は ” 消された歴史 ” なのでほとんど宣伝もされておらず、訪れる人も少ないようです。出勤・通勤ラッシュの大量のバイクと並走すること約20分で細い細い路地の入り口に到着。路地の入り口にはスカルノ大統領のパネルや石碑がありました。バイクは路地に入れないので歩いてその家へ。雑然としたありきたりな風景のなかに埋もれるようにある普通の家がインドネシアの国父が生まれた家です。玄関の上には「スカルノ大統領の生家」と書かれた小さな看板がかかっているだけで、ひっそりしています。通りかかったおじさんによると今はスカルノ家と全く関係のない人が普通に住んでいるそうです。
午後からはパスルアンというところにある、タマン・サファリ・プリゲンという動物園へ。サファリには動物園のバスではなく自家用車で入りました。自家用車ならすこし停まってじっくり動物を観察できますし、リャマやシマウマに車から人参をあげたりできました。レクリエーションエリアではタイガーショーがあり、ベンガルトラが走る、飛ぶ、木に登るの見て楽しみました。息子のために行った動物園ですが当の本人はホンモノよりもハリボテが気に入ったようです…。
この日はこの動物園がプロデュースする Baobab Safari Resort に泊まりました。ロビーの奥の広場にはシマウマやキリンがいるんです。有料ですが餌やり時間にはキリンやミーアキャットの餌付けすることもできます。このホテルは子どもだけではなく大人も楽しめるようによく造られていました。スタッフが多く、走り回る子どもたちをそれとなくサポートしてくれるのはとても助かりました。
10月8日
朝から動物を見て10:00にチェックアウトし、マラン方面へ。
息子はちょっと疲れてきてしまったようで、ご機嫌ななめな時間が増えてきました。
途中にあるシンゴサリ寺院をさっと観光し、お昼にはマランで有名な麺 チウ・ミーを食べ ( 数あるなかからパートナーが選んだのは中国寺院の地下駐車場にある小さな店。人気店らしく30分くらい待ちました )、バトゥへ。14:00すぎに今夜の宿 Kemboja Bed & Breakfast Cafe にチェックインし、その後はバトゥ全体を見渡せる丘に行ったり、ソンゴリティ寺院に立ち寄って17:30ごろ宿に戻りました。
10月9日
クオリティ高い朝食をゆっくりいただき、9:30にチェックアウトして、一路、ボロブドゥールへ。
我が家へは16:00ごろに到着しました。
息子を連れての旅なんてまだまだ先の話だと思っていたのですが、この夏、何度か小さなお子様を連れたご家族の旅に同行する機会があり、自分もやってみようかなと思ったことがこの旅の契機になりました。実際は見ているよりももっと大変!でも、すっごい楽しかった。一人旅とは違う喜びがあることを実感した旅となりました。次は息子とどこに行こうかとリサーチ中です。
それにしても東ジャワ!奥深い。行けば行くほど、もっと知りたくなる。
特にマドゥーラ島。海あり、洞窟あり、歴史あり、文化あり。こんなに色彩豊かな島だとは。今回は島の西部にしかいけなかったので、今度はスメヌップやさらにその先の小島など島の東部に行きたいです。
あと、マラン近郊にもたくさん寺院があるので、それもいつか訪ねてみようと思います。