インドネシアの仏陀生誕祭ワイサックにとって、「満月」はとても重要なキーワード。毎年、5月か6月の満月の夜に盛大な生誕祭が行われます。今年は5月26日。今年はただの満月ではなく、スーパームーン ( 月と地球の距離が近くなり、いつもより大きく見える月 ) とブラッドムーン ( 皆既月食で太陽の光が月に当たらず赤く見える月 ) が重なった、特別な満月の夜に当たりました。大きな赤い月とライトアップされたボロブドゥール寺院を背景に舞うランタン…。が見られれば良かったのですが、まだまだコロナ禍真っ只中。残念ながら2年連続でワイサックのイベントはすべて不開催となりました ( ワイサックを主催する団体によると、今年は高僧の説法などはオンラインやTVで公開され、祈りは各々お家で、ということだそうです )。
それでも、5月26日が1年に1度の聖なる日に変わりはない。ということで、ワイサックに関連する場所へ行ってみることにしました。朝9時に家を出て、まずはムンドゥッ寺院とムンドゥッ僧院へ。通常だと、華やかに飾り付けられ、僧侶や信者が大勢集まり朝から読経が行われる場所です。が、今年はなーんの装飾もありませんでした。唯一、ムンドゥッ僧院の入口にワイサックの垂れ幕がかかっていたのみ。お祈りをしている僧侶や信者も皆無でした。
そのあとは、ボロブドゥール寺院が遠望できるワヌレジョ村のバルコンデスで朝食。ローカルフード定番のナシ・ゴレンやアヤム・ゴレンなどがあり、どれも食堂価格なわりにクリーンでおいしいので人気です。
そして最後にボロブドゥール寺院へ。祝日ということもあってか、家族連れや若者が観光に来ていました。が、ここでもワイサックの装飾もお祈りも全くありませんでした。最後にゾウ舎でゾウの餌付けをして、ツアー終了。
わかっていたけど、ワイサックの「ワ」の字も感じられない半日ツアーでした。淋しいような、コロナ対策を優先したインドネシアの仏教界がまともでよかったとホッとしたような、複雑な心境です。
夜、自宅から月食を見ました。スーパームーンらしく普段より大きかったけど、赤くは見えなかった。
来年こそは、月夜に舞うランタンをボロブドゥール寺院で見たいなと強く思いました。