ボロブドゥール・ライフ」カテゴリーアーカイブ

ウソみたいなホントの話

2025年3月7日

今年も毎年恒例のワイサックツアーが始動しました。

このワイサック、雨季から乾季への移行期である5月に行われます。
雨季真っただ中は毎日決まったように降るのですが、移行期は一定ではなく気まぐれ。つまり、ワイサックは雨に降られるかどうか、伸るか反るか…なんです。

ご参加を検討されている方から多い質問が「雨天時の対応について」。
そりゃそうです。
ワイサックはイベントを行う仏教団体が主催者なので、わたしたちは主催者の判断に従わざるを得ません。基本姿勢としては、” 小雨決行 ”、” 大雨は雨が静まるのを待つ ” です。

ただ、これまでわたしが見てきたワイサック計7回中、雨が降ったのは2024年の1回だけ。しかも、2024年もそれまでは強く降っていたのに、ランタンになると小雨になり、無事ランタンを飛ばすことができました。
なぜかというと、ボロブドゥールに住むシャーマンが「雨が降りませんように」とお祈りをしているからなんです。「へっ!?」って思いますよね。
そりゃそうです。
でも、ホントなんです。ワイサックを取り仕切る仏教団体がシャーマンに祈祷を依頼し、シャーマンはオーダーに応えて真剣に祈祷します。
ちなみに、当社代表も、ワイサックツアー成功と晴天を祈念してシャーマンと一緒に祈っています。仏教団体も、シャーマンも、当社代表も、21世紀に生きるきちんとした大の大人なんですが、マジです。

初めてワイサックに参加した2016年、夕方まで雨が降っていて「これ止まないんじゃない?」とパートナーに言うと、「ちゃんと祈ってるから、そのうち止む」と返事され、「は???」と思ったのは、まだジャワの文化を知らなかった移住後間もないわたしだったから。
今ではちょっとその効力を信じ始めています。

そのうち、「雨天時の対応?大丈夫です!シャーマンが、雨が降りませんようにって祈ってますから!安心してください!!」とお客様に返答してしまわないように、気を付けなくては。

統一地方選挙2024

2024年11月27日

今日は統一地方選挙。
日本籍のわたしは選挙権がないので、これまでは積極的に投票所に行くこともありませんでしたが、今回、我が家が地域の投票所として使われることになり、インドネシアに住み始めて初めて投票の様子を詳しく見ることができました。

数ヶ月前から町中そこここに選挙ポスターが並びだしました ( 日本ではポスター掲示板がありますが、こちらでは各候補者がそれぞれ好きなサイズでポスターを作り、その辺に貼っています ) 。選挙の数日前に選挙委員会の方が投票ハガキ ( こちらでは普通の紙 ) を持ってきました。

今回、ボロブドゥールエリアでは、マグラン県知事と中部ジャワ州知事の2選挙が一度に行われます。

10月頭のある夜、選挙委員会の方2名がうちに来て、投票所として家を使わせてほしいと言われました。投票所の設営は前日の朝から。開票作業などをするため、当日の夜まで丸2日間となるそうです。10月26日には朝6:00から村が所有する椅子やホワイトボードや時計や照明や音響設備が運び込まれると同時に、警備員2名と投票箱が到着 ( この警備員は不正が行われないように寝ずの番です )。

当日、朝5:30には選挙委員会の方々が揃い、最終セッティングとミーティングをして7:00から投票スタート。
「日本と大きく違うなー」と思ったのは、
①入口に投票者全員 ( 約600名 ) の名前・性別・住所・年齢の一覧リストが貼り出されていること
②入口に写真撮影用の場所があったこと
③投票終了後に投票済みの印として小指に紫のインクをつけること ( しれっと何度も投票させないように )。
④いろんなところに椅子があり、投票し終わった後におしゃべりできるようになっていること。

13:00に投票締め切り。その後、選挙委員会の人たちだけで開票作業。これも、マイクで1枚1枚読み上げていき、数人がそれぞれの紙に記入し、全員の結果が合えばOKというシステムのよう。18:00ごろに開票作業は終わっていましたが、そのあとプチ打ち上げと片付けで22:00ごろにお開きとなりました。

ちなみに、それまでずっと降っていた雨が選挙3日前から一切降らず、選挙翌日は朝から大雨。「選挙中降らなくてよかったね」とパートナーや遊びに来ていたドライバーさんたちに言うと、「そりゃ当たり前でしょ、シャーマンが雨降らずのお呪いをかけているんだから」としれっと言われ、さすがインドネシア!となりました。

ジョグジャバティック柄ネイル

2024年8月31日

今日は1ヶ月半ぶりにネイルサロンへ行ってきました。サロンといっても村のなかにあり、子どもが遊ぶ声が聞こえるような長閑な場所で女性が家の一角でやっている小さなサロンです。独学でネイルアートを学んだという彼女は、町のサロンより丁寧にやってくるし、綺麗なまま長く保つんです。

手の爪を塗ってもらっている最中、彼女から提案あり。「いっつも無地一色だけだから、一回柄も試してみれば?」「うーん…柄なー…。そうやなー…ジョグジャバティック柄ってできる?」「…バティック…?やったことないけど、やってみよか」「どのモチーフが描きやすい?」「わからん(笑)。ちょっとググっていくつか候補挙げてみて」

Batik Nail Artで検索してみると、超定番ジョグジャバティック柄やチルボンバティック柄でいくつか出てきたうち、線と点でできているパラン柄を選択。面積の広い足の親指でやってみようということになりました。

右は描いては消し描いては消し試行錯誤しながらやってくれやのですが、コツを掴んだようで左はさっと一発。職人やなー。

バティック柄は思いのほか気に入りました。また彼女にお願いしていろんなバティック柄で遊んでみようと思います。

大統領選2024

2024年2月14日

今日はインドネシア大統領選でした。インドネシア全土で休日です。
選挙権のないわたしにとっては何てないただの休みの日だったのですが、今回はパートナーが地区投票所の手伝いに駆り出されていました。4,5日前に呼び出しがあって何かと思って行ったら手伝ってと言われたそうで…。パートナー曰く、政治ギライで特定の支持政党も政治家もないのが選ばれた理由だそうです。事務所からパソコンやらプリンターやらを持っていそいそと出掛けてました。

昼間に子どもたちと駄菓子屋に行く途中、投票所の近くを通りましたが、人家の一画で町内会のような雰囲気で、お弁当食べてる人あり、数人で話して大笑いしている人あり。公民館や体育館などしーんと静かな場所で粛々と行われる日本の選挙とはやっぱりちがうなー。2019年の大統領選のときはたまたまジャカルタにいたため、村の選挙の様子を見たのは今回は初めてだったので、面白かったです。

さてはて3候補のうち一体誰が次期大統領になるのか。外野から見ていても無党派層は選ぶのが難しそうなラインアップだったけど、どういう結果になろうとも、インドネシアに住む外国人として、インドネシア国籍の子を持つ親として、「Indonesia Maju (インドネシアよ、進め)」を着実に進められる政治が行われることを期待します。

…今日のGoogleのロゴがちゃんと大統領選デザインでかわいくて、どこかに残しておきたかったので、こうやって雑感を書いてみました。

神器

2023年12月1日

ここ数日のわたしの悩み。
それは、蚊。

遅まきながら今年も本格的な雨季に入り、雨とともに蚊が一気に増えました。意外なことに、私が住んでいるエリアでは蚊が少なく、特に乾季はほとんどおらず、ここ半年間はかゆみや音に悩まされることなく快適に過ごせていたのですが…。連夜、寝ているあいだに何か所も刺され、かゆみで目が覚め、日中寝不足という状況です。

インドネシア在住日本人のなかで定番の謎トリビア。
「インドネシア人よりも日本人の方が蚊に刺されやすい」。
我が家はまさにこれで、100%日本人のわたしがいちばんの被害者。同じ部屋でいるのに、パートナーや子どもをスルーしてわたしの方に寄ってきます。

蚊対策として、シトロネラを焚いたり、蚊避けオイルを塗ったりしていますが、一番頼りになるのは、何と言っても虫ラケット。コンビニや電気屋で600円くらいで売られてる優れもの。電流でバチっと一発。素手で挑むよりも成功率がグンと上がるんです。
近ごろは毎日必ず充電し、部屋移動のたびに持ち運んでいて ( なんなら車の中にまで持ち込んでいます )、スマホと同格のポジションまで格上げです。もうすこしコンパクト化・軽量化・必需品として愛せるようなデザインにならないものか。共同開発したいくらいです。

ああ、今夜は蚊に起こされることなく、安眠できますように。

タイムトラベル@Rempah Asia

2023年9月28日

つい先日たまたま前を歩いて初めて気がついたお店。
くたびれた外観とフライパンを振るう音が外まで響くいていて、「あっ」と思ったんですよね。B級エスニック臭がハンパなくて。

それから数日後、機会があって行ってみると、やっぱり正解。マレーシアの甘いミルクティー ” テータリッ ” もトムヤム風ナシゴレンも最っ高にうまい。

扇風機しかない熱のこもった店内で、汗をかきながらどこか異国風のスパイシーなごはんをかきこむと、若かりしころ、無目的が目的だった放浪旅にタイムスリップしたかのような心地にしてくれる。なんなら風に吹かれたら飛んでいきそうな2階に上がれば、特にどこにも行っていないのになぜか書くことが尽きなかった旅日記をひたすら書いている “ あの頃の” 自分がいてそうな感じ。

ジョグジャカルタにこんな本場のアジア料理のお店があったなんて。
歳をとり、衛生的でオシャレなレストランで食べることを覚えても、自分の根幹はやっぱりこういうアジア食堂に震えるんだなーと。

ジョグジャカルタ市北部、ボロブドゥール行きのバスが発着するジョンボール・バスターミナルすぐ近く。

( ちなみに店名のRempahとは、インドネシア語でスパイスという意味。店の名前も気に入っています )

Watering is Meditation

2023年5月4日

ここ数ヶ月、増え続けているマイフェイバリッツ。
コーデックス、エアプランツ、サボテン、ユーフォルビアから入り、今のブームはカルジューム、ベゴニア、アロカシア。
大小含め1ヶ月10鉢前後のハイペースで増え続けています。

朝5:30と夜の植物観察と水やりの時間は私にとってまさに ” Watering is Meditaion ”。何人にも邪魔されたくない神聖な時間です。

わたしが初めてインドネシアに来たときに驚いたことの一つが、どんな小さな家でも軒先に鉢植えがあり、ドライブしていると植物屋がたくさんあったこと。今では多種多様な植物がオンラインで販売されています。希少種はそれなりの金額ですが、わたしが欲しいと思うようなものは1苗30~450円ほど。熱帯で植物が育ちやすいというのも手頃な価格に影響しているのかも。インドネシア万歳!

あともう一つ面白いなと思ったのは、用土として米の籾殻とヤギの堆肥が一般的なこと。いかにもインドネシア的で、サスティナブル (笑)。

すごいペースで増えた植物で、もはやテラスの地面に置き場所なし。かくなるうえはハンギング。ということで、近日中にこちらでも「シカの角」と呼ばれているビカクシダが届きます。

大天敵の放し飼いのニワトリ、野良猫、そして3才になる次男と攻防しながら、グリーンに囲まれた生活を楽しんでいます。

MOMOTARO、いただきます。

2023年3月12日

ここ1ヶ月、自宅近くの売店で売られている、このクッキー。
大ぶりで、バターたっぷりで、黒ゴマがふられていて、コーヒーによく合うので、最近よく昼食代わりに食べてます。

さあ、今日も息子が寝た隙に食べようと思い、何の気なしにパッケージを見たら「MOMOTARO」。

…君、そんな名前やったん。
その下の”Real Stuff” “Color is attractive”って何ですか?

そのお味から、ちょっといいとこの子かと思いこんでたけど、意外に面白い子なのね。

元旦のお雑煮

2023年1月1日

明けましておめでとうございます。

今年は初めての試みで、ツアーのお客様にお雑煮をご用意してみました。そして、お客様がお帰りになったあと、私もそのお相伴に預かりました。私にとっては十数年ぶりのお雑煮でした。

暑いこの国で迎えるお正月は全然お正月感がなく、この数年は年を越した感覚なくずっとダラダラ来てしまっていたのですが、このお雑煮が今年は新しい年が来たんだなと感じさせてくれました。

改めて日本ってすごい。季節や節句ごとの料理があって、それを一般家庭レベルで用意するなんて。日本人の情緒ってこういうことで育まれてきてるんだろうなぁ、美しい文化だなぁ。こういう文化がある国に生まれ育ったことって幸運なことだなぁ。

 

大晦日の花火

2022年12月31日

大晦日ですね。
こちらでは、元日は祝日ではありますが日本ほど大きな祝日ではなく、大晦日も特に厳かな雰囲気はありません。ただ夜に花火をする人が多いです。
( ちなみにインドネシア語で花火はKembang (花の意) Api (火の意)と言います)

今年はパートナーが花火を持って帰ってきました。ボロブドゥールの大通りの即席花火屋で25本 Rp 20,000で買ってきたそう。
長男・次男に花火はまだ早いよと言うと、木に吊るすから大丈夫とのこと。

夕食後、本当に庭の木に吊るして点火してました ( 持ち手部分が針金でできてるので曲げられるんです )。綺麗ではある。子どもたちもテラスから見て楽しんでる。でも違う意味で大丈夫ではない気はするんですが(笑)。

日々の暮らしのなかでは、怒ったり疲れたりすることの連続ですが、事故もなく、子どもたちもすくすく育ち、パートナーもよく寝て健康で、こうやって1年恙なく過ごせたのは幸せなことなんだろうな、と葉っぱのあいだで爆ぜる花火を見て思いました。