( 英 : Batik、イ : Batik )
バティックとは日本では「ジャワ更紗」と呼ばれていたロウケツ染めの布のこと。
ジャワ島の伝統工芸の一つ。
伝統工芸と言っても、今でも活きた文化であり、会社や学校の制服に用いたり、結婚式やパーティなどで正装する際もバティックを用いることが多い。
オランダを通して交易があった江戸時代にはすでに日本に伝わっており、当時の蒐集家がバティックに関する本も出版している。
またこの時期にジャワ島北海岸の町で発達した、外国からの影響を受けた華やかなバティックのなかには、日本の風物を描いたものもある。
2009年10月2日、ユネスコにより無形文化遺産に登録された。
ジャワ島にはバティックで有名な町が4つあり、それぞれ特色があります。
ジョグジャカルタ Yogyakarta
茶系・赤系が主流。王家にまつわる幾何学的なモチーフのものが多い。
ソロ ( スラカルタ ) Solo ( Surakarta )
ジョグジャカルタのバティックに近似。
チルボン Cirebon
鮮やかな色使いと人物や花鳥風月のモチーフが特徴。とくにメガムンドゥン( 雨雲 )というデザインはチルボンならでは。
プカロンガン Pekalongan
パステルカラーで染められた花模様が有名。中東・インド・中国・日本など外国からの影響を受けた華やかさが特徴。
かつてバティックといえばすべて手書きでした。
チャンチンという特別な器具を使い、溶かしたロウで一線一線柄を描き、染め、ロウを洗い落とし、またロウ付けし、染め、ロウを落とし…を延々と繰り返していたんです。
ですが、現在では商業化が進み、以前のように手書きでバティックを作っているところはとても少なくなってしまいました。
21世紀のバティックは次の4パターンに大別されます。
トゥリス Tulis
手書きバティックのこと。
民家の一部の小さな工房で作られています。作り手は主に女性。
表のみロウ付けしたものと両面バティックを施したものとあります。
生産量が少ないため希少。他の製法で作られたバティックに比べると飛び抜けて高額です。著名なバティック作家が作るバティックだと、家宝レベルの「芸術」で、完成に数年を要することもあるそうです。
チャップ Cap
バティック専用の銅製スタンプでロウ付けしたもの。
銅のスタンプは19世紀になって生産量を上げるために発明されたそうです。ほとんどの場合、チャップは男性の仕事です。モチーフがずれないように寸分の狂いなくスタンプを押す熟練工の技は見ものです。
これもロウ付けは表のみと両面のもの、両方あります。
手書きバティックよりは安価。
コンビナシ Kombinasi
手書きとチャップのミックスです。大きな柄はチャップで、細かいところは手書きでロウ付けされたものです。これも表のみと両面ロウ付けの2種類があります。
価格は手書きとチャップのあいだ。
プリント Print
機械で生産された布のこと。要はバティック柄の布というだけです。市場に出回っている安い布や服はほとんどがこのプリントです。表しか模様がありません。
また染料にも2種類あります。
Warna Alami ワルナ・アラミ
自然染料 ( 樹皮や葉っぱ、根っこなど ) を使ったもの。
きれいに色を出すため何度も染めます。洗濯後も色落ちが少なく、長く使うと独特の風合いが出てくるそうです。
化学染料のバティックに比べ高額。
Warna Sintetis ワルナ・シンセティス
化学染料を使ったもの。現在はほとんど化学染料を使って染めています。
手書き・チャップ・コンビナシで作る布は染めも手作業です。1枚の布に何度も色を重ねることになるので、染めの工程は複雑です。例えば、赤と紫の2カラーを出したい場合、「 白く残したいところをロウ付け → 赤で染める → ロウを洗い落とす → 白・赤に残したいところをロウ付け → 青で染める → ロウを洗い落とす」という6工程が必要です。
そのため色が何色入っているかはバティックの価格に大きく影響してきます。単色であれば染めの工程はシンプルなので安い、何種類も色が入っている布は何度もロウ付け&染めを行うので高くなります。
バティックを購入するうえで重要なのは、
① 手書き・チャップ・コンビナシ・プリントのどれなのか
② 表だけ模様付けされているのか、両面模様付けされているのか
③ 染料は何なのか
④ 何種類の色が入っているか
を確認することです。
例えば、1m × 2m の布で化学染料での単色染めの布だと、プリント Rp 50,000~、チャップ Rp 80,000~、手書き Rp 300,000~ と価格が大きく違います。
冒頭でも言ったように、こちらではバティックは普段の生活の中でもよく身につけます。
プリントの安価な製品であれば、他の洋服と一緒に洗濯機でガシガシ洗ってしまいますが、すこしいいバティックは専用の洗剤・柔軟剤で手洗いします。日焼けしてしまうので直射日光にはあまり長い間さらさず、風通りのいい日陰で乾かします。
ツアー情報
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バティック工房をめぐる旅や実際にバティックを作る体験教室はいかがですか?
バティック工房を訪ねる旅
実際に手書きやチャップでバティックを作っている工房にお邪魔し、その工程を見学します。工房には小さなギャラリーもあるので、気に入ったものがあれば購入もOK。
ジョグジャカルタバティック紀行
バティック制作体験
ロウでモチーフを書き、染めるという工程を実際にやってみませんか?簡単そうに見えて実はとっても難しい。でもきっとバティックを知るのに一番いい方法です。作成したバティックは記念にお持ち帰りいただけます。
バティック教室