
ウミガメのリリースの後、足元にできた風紋。きれい。
自宅があるボロブドゥールから車で2時間半ほど西に走ったところにある町クブメン Kebumen に行って来ました。
有名な観光地はコレと言ってない目立たない町です。外国人はおろか、インドネシア国内観光客もほとんど来ることがない町です。が、意外や意外。探してみれば、名物料理あり、特産品あり、温泉あり、歴史的建造物あり、自然アクティビティありとなかなか見所が多い。1日では足らず、2週連続2日に分けて行ってきました。
7月19日(日)
朝8:00に出発。ボロブドゥールから下道で南西へ。まずは途中の町プロウォレジョ Purworejoで、今はもう使っていない昔の駅舎すぐ近くの食堂で朝食。食べ終わった後についでに駅舎見学 ( …と言っても柵があるので外から見るだけ )。1887年から1976年まで本線の駅として使われていていましたが、一旦廃駅となり、その後、住民や地方政府の要請により1995年から2010年まで隣のクトアルジョ駅の間を往復する支線の駅として使われ、2010年以降はまた閉鎖されました。今でも鉄道公社が所有する駅舎は昔ながらの雰囲気を纏っています。
クブメンについたのは10:00前。
この町は質のいい屋根瓦の生産で有名。「増築中のゲストハウスの屋根に使いたい」というパートナーの希望で一度生産工房に行ってみようということになり、今回の旅につながりました。クブメンに入り、幹線道路から外れて少し田舎道に入っただけで両サイドにあるわ、あるわ小さな瓦屋根工房。櫓みたいな独特の高い建物があるので、すぐにわかります。中から見ると櫓は寺院みたいで、薄日が射し、ちょっとしたた ” 遺跡感 ” があり、なんか異世界に迷い込んだような感覚。ただ、日曜日なので、作業している工房はほとんどなく…。改めて、パートナーのリサーチ不足を披露しただけで、成果なし。
…ということで、観光に切り替え。
まだそれほどおなかが空いていたわけではないですが、名物料理ナシ・ペンゲル Nasi Penggelで早めの昼食。ピンポンボールサイズに握られたごはんにおかずをかけていただきます。クブメン県のホームページによると、これはインドネシア独立戦争中に食料配給を簡単にするためにこのようなかたちにしたのが始まりだそう。ちなみのおかずは牛スジの煮込み、ジャックフルーツの煮込み、ゆで卵のサンバルソース和え、お皿からはみ出るほどの巨大なテンペの衣上げ ” ムンドアン ” の4つが定番のようで、次の週に朝ごはんで寄った別の食堂でも同じメニューでした。
食後は、HURY Accessories Jenitriというお店で、クブメンの名産品だというJenitri ( 日本語ではインドジュズノキ? ) のアクセサリーを購入。村の中のお家の一角でやっている個人店でしたが、種類もセンスも価格もよく、自分用にブレスレット (Rp 25,000) を、パートナーはお祈りする際に使うというので数珠 (Rp 60,000)を購入。
そのあとは山の方に走り、クラカル温泉 Pemandian Air Panas Krakal & Villa de Krakal へ。真新しい宿泊施設・子ども用温泉プール・プライベート浴室がある温泉施設です。子どものプール入場料 Rp 10,000。プライベート浴室 Rp 25,000/15分。ほかの地域の同レベル・同規模の設備と比べると衛生状態はまだ良い方に思えました。インドネシアでは泉質表示はしていないので、泉質や効能はわかりませんが、無臭かつ無色透明。お湯は加水、加熱はしていないそうです。プールに注がれるお湯を触ってみると、温かいという程度。熱いお湯なら入ってプライベートバスに入ってみようかなと思っていたのですが、ちょっとわたしには熱さが足らなかったので、見送り。温泉プールで息子を遊ばせているうちに夕方近くになったので、そのまま帰途につきました。
7月20日(日)
クブメン日帰り旅2週目へ。
先週の日帰り旅行で行こうと思っていたところの半分がいけなかったことと学年末のスクールホリデーにどこも連れていってあげられなかったので子どもたちのガス抜きを兼ねて。
先週の日帰りが終わった後もクブメンエリアを調べている行きたいところがほかにも出てきてかなり盛りだくさん。なので、6:00に出発しようとパートナーと話していたのですが、まさかの (いや、定番の) パートナーが寝坊。結局7:00にボロブドゥールを出発。先週と同じ道をひた走り、クブメンの町中に入ってから、またまたローカルフード Nasi Penggelで朝食。となりの果物屋さんでブドウとバナナを仕入れて、いざ今日の観光スタートです。
ボロブドゥール寺院登頂観光で提供されるサンダルは、クブメンの名産品であるパンダンリーフを編んで作られています。山に入っていくと直射日光を浴びて逞しく育つパンダンがたくさん生えています。きれいに並んで生えている ( おそらく育てている ) のもあれば、ニョキニョキと自由に生えている子もあって、とてもユニーク。このパンダンを編んだ製品を作っている工房にお邪魔すると、道には乾燥中のパンダンリーフが並べられ、玄関脇には製品用に染められたものが置かれています。ちなみに、インドネシアで主にお菓子やパンなどに香づけ&色づけに使われるパンダンと編み物に使うパンダンは種類が別だそう。市場などで売られているパンダンリーフはなよっとしていてひ弱そうですが、編み物に使うパンダンはとげがあり、いかにも乾燥地帯でも生き延びそうな力強さに溢れた植物です。今回立ち寄った工房では、ほとんどがオーダーを受けて作り、余ったものや検品に引っかかったものを工房で販売しているそう。検品に引っかかったものと言っても、ちょっと曲がっているとか、ちょっと葉っぱが出ているとかいうくらいで使用に全く問題なし。むしろ、ちょっといびつなところが可愛くもある。ということで、カバン、ランチョンマット、書類入れ計13点をRp 220,000で購入。満足度の高い買い物でホクホクです。
そのあとは、中国系インドネシア人の邸宅 ” マルサ・ティアール邸 Roemah Martha Tilaar ” へ。今は博物館&カフェとして開放されています。統治時代の面影がのこる白亜とステンドグラスの大邸宅では、シャンデリアやレース立てのウェディングドレスなどに当時の優雅な暮らしが、刺繍や漢字に中華文化が立ち込めていて、オランダ・ジャワ・中華折衷の世界。係員の人が丁寧に説明してくれて、一部屋一部屋見ることができます。ちなみに、邸宅の名前になっているマルサ・ティアールという女性は自然素材を使用した基礎化粧品の会社 SARIAYU を建てた成功者。小さなころはお転婆で学校に馴染めず、裏庭になるマンゴーを売っていたり、若いころに旦那さんについていったアメリカではベビーシッターをしていたりという逸話も聞けました。SARIAYUのコンセプトのもとになっているのはマルサのおばあさんが作っていたインドネシア漢方ジャムゥにあるとのこと。庭にはいろんなジャムゥのもととなる植物が植えらえていて、丁寧に名前が紹介されています。カフェも素敵で、本当はコーヒーを飲みながらゆっくりしたかったのですが、時間が足りず、断念。次に進む。
次は、南進。前半ずっとわたしの趣味に付き合わせてしまったので、彼らが遊べるように海へ。最近SNSでよく見るから行ってみたいというパートナーの希望で、いくつもあるビーチの中からカラン・ボロン海岸に行ってみました。SNS効果絶大で、バスやハイエースで団体さんやファミリーがたくさん来ていました。が、波が高く泳げるわけではなく、ジャワ島によくある普通の海岸のよう。朝や夕方ならもう少し雰囲気があったのかなー?なんて言いつつ、子どもたちはビーチの手前にある即席プールで水遊び、わたしたちはそれを見ながら近くのシーフード食堂で昼食。シーフードはリーズナブルでおいしかったです。
最後に、今回の目玉であるウミガメ保護施設へ。事前に連絡を取っていたので、15:30に保護施設の人と合流。3年前に孵化してずっと飼育しているウミガメや生まれたばかりのベイビーの水槽を見せてもらったり、保護した卵を孵化させる砂場を見せてもらいました。そのあとは船で対岸に渡り、海にかえす準備ができたキッズウミガメのリリース体験をさせてもらいました。波の音だけの静かなビーチでバケツから出たあと、一気に波打ち際まで進む子、反対方向に進んでしまう子、全然動かない子、いろいろ。カメにも性格があるんだな~。何度も波にぶつかり、ようやくコツをつかんで波に乗って海へと入っていく姿の尊いこと。施設も方が言うには、一説によるとウミガメの生存率は0.02%。海に戻ると過酷な現実が待っています。それでも本能に従って、海にかえるんだな~。沈みゆく太陽を見ながら、保護施設の方が仕事としてだけではなく、愛情をもってウミガメを大切にしているのを聞けたのも含めて丸ごとプライスレスな体験をさせてもらいました。一緒にリリース体験をした息子たちが何か少しでも感じてくれたらいいなと思いました。18:00のお参りの声が響くなか、保護施設をあとにし、自宅へ。20:00ごろに自宅に到着しました。
失礼ながら、クブメンのこと、なめてました。すみません。
ローカル文化を感じられる場所がたくさんあり、わざわざ行く価値がある町です。
実は、行きたいリストにはまだ洞窟と要塞が残っています。洞窟は「5時間くらいかかる本格的な洞窟探検ができるよ」とマルサ・ティアール邸の係員の男の子が教えてくれたけど、まだ息子たちには難易度が高そうなので、今回はパス。要塞は前まで行ったのですが、修復中のため臨時休業中。
ということで、一旦クブメン探索は終わりとしますが、もう少し時間が経ってから、クブメン3回目の日帰り旅をしてみたいと思っています。
