ボロブドゥール・ライフ」カテゴリーアーカイブ

精米車

2022年6月13日

稲作農家が多いボロブドゥールでよく見かける、精米機を積んだ車。村の家から家へ周りながら、ものすごい轟音を轟かせながら精米しています。

精米時の振動が原因で、車はもはや体を成していないほどにボッロボロ。よくこの状態で走るなーと見るたびに思う。
そしてその度に「働く車のカッコよさがわからんなんて、まだまだだな」って何かの映画で聞いたセリフを思い出します。

ボロブドゥール寺院値上げ騒動私見

2022年6月9日

数日前に発表され、インドネシア国内のみならず、日本でも即日記事にされた、ボロブドゥール寺院入場料値上げ。

多くの批判が巻き起こり、結局、政府は6月8日に「先日発表した値上げは一旦見送りとする」と方針を転換させました。

前言撤回は、“インドネシアあるある”。…というか、むしろ今回の件は、運用開始日すら決めていなかったことから見て、政府も「一旦発表してみて世論を見てみよう」くらいの気持ちだったんじゃないかと感じます。

そして、これは政府の目論見どおりだったのか、もしくはスポークスマンの失敗だったのかは判りませんが、発表の仕方もしくは記事の書き方が悪かった。
・現在、ボロブドゥール寺院には上がることができず外観観光のみのところを、寺院に上がって内部観光するための入場料が新たに設定されること。
・内部観光は特別扱いのため入場料を高額に設定すること。
・内部観光が開始されたあとも現行の外観観光は現行の入場料で可能なこと ( つまり外部観光入場料と内部観光入場料の2種が存在し、観光客は自由意志で選択できること )
が前面に明示されておらず、USD100という数字だけが大々的に報道され、ボロブドゥール寺院に入るには、等しく誰もがUSD100払わないといけないかのように見えてしまった。

そもそもコロナ前は現行の料金で内部観光もできたわけですが、何の柵もなしに剥き出しのまま観光客が気軽に触れられるかたちで公開していたことの方がスゴイ。
他の国の歴史的建造物でこんな見せ方しているところなんてないでしょう。
あまりにも大らかというか、性善説&良識信奉というか。
観光業従事者としては以前のように今の料金で内部観光が可能となることを期待してもいましたが、ボロブドゥール寺院のファンとしては、世界に誇れる遺産だからこそ、「未来に遺すには」という視点で、制限が必要だと思います。

確かにUSD100は高い。
世界的に人気のアンコールワットだって、たかだかUSD35くらい。
その3倍!
でもわたしはちょっと嬉しかったんです。ボロブドゥール寺院にはUSD100の価値があると信じてる人たちがいるんだなーと。

はてさて、ボロブドゥール寺院の内部観光は一体どうなることやら。
もう少し値段を下げるつもりなのだろうか?
いずれにせよ、夏までには何らかの形で内部観光も再開してほしいところです。

ボロブドゥール寺院って外部観光だけだと本当のすごさはなかなか見えない。
観光に来られた方には内部も見て、ボロブドゥール寺院のすごさを知ってほしい。
でも、内部観光料金が高額だと外部観光が主流となるのかな…。
そうならば、ボロブドゥール寺院の内部をバーチャルで見ることができる多言語対応の施設があったらいいなぁ。
政府には遺跡保存と同じくらい、はるばるボロブドゥール寺院まで来てくれた観光客の満足度のことも考えてほしいです。

追記➀
もともと、コロナ前から壁面への落書きや彫刻の摩耗などはかなり問題視されていて、遺跡保存という観点から内部観光に関して識者のあいだでずっと議論が行われていました。
ボロブドゥール寺院に出入りする関係者のなかには「いつかは内部観光は制限がかかるのでは?」と漠然と思っていた人も少なくないはずです。
コロナでしばらくクローズし、営業再開時に外観観光のみとしたのは、ソーシャルディスタンス確保というコロナ関連の理由だけではなく、クローズ期間中に専門家による実地調査や議論がなされた結果だと思います。
また内部観光を特別料金とするのも、収入面という面だけではなく、観光客の立ち入りが遺跡に及ぼす影響は甚大・深刻で入場者数を大幅に制限せざるを得ないという現実があるのだと思います。

追記②
外観観光のみが続くなか、一時は「内部観光は政府関係者・仏教関係者・メディア関係者・政府から特別許可を得た人のみで、一般観光客は内部観光不可とする」と決まりかけたこともあったと聞いています。そのような閉鎖的な案が覆り、料金的な問題があるとしても、一般観光客にも内部観光の選択肢が示されたことは一歩前進だと捉えています。

カーニバル in ボロブドゥール

2022年6月3日

先日5月29日(日)にボロブドゥールでは、Gelar Budaya Wanurejo というカーニバルがありました。
ボロブドゥール郡にあるワヌレジョ村が主催する1年に1回のカーニバル。
コロナで数年お休みした後、今年は満を持して復活。

ルートは、ボロブドゥールのバスターミナルからワヌレジョ村のバルコンデスまで ( ちなみに、この村のバルコンデスはボロブドゥール寺院が遠望でき、ごはんも美味しいです )。大通りを盛大に行進するらしい。…ということで息子たちを連れて見に行ってきました。
12:50ごろからボロブドゥール寺院の入口付近で陣取っていると人がどんどん集まってきて大混雑。
そうだよな~、もともと集まるのが大好きな国民性。なのに、2年間ずっとこういう娯楽とは無縁だったもんね。

13:00にスタートとのことでしたが、13:00を過ぎても目の前の道路はバンバン車やバイクが走り続けていて、一向に始まる気配なし。インドネシアあるあるです。物事が時間どおりに始まることが非常に少ない。カーニバルの先頭が見えたのがようやく14:00を過ぎたころ。炎天下にもかかわらず沿道には大勢の人が詰めかけていました。
3m前後もある大きなハリボテが次から次へと行進してきます。うーん、なんかどれも手作り感はんぱない(笑)。村の人たちが何日もかけてゆーっくりマイペースに、その辺にあるものを駆使して作ったんだろうなっていうのが目に浮かびます。盛装した村長が馬に乗っていたり、村一番の美人がちんまりと座る駕籠あり、ニワトリの格好をした子どもたちあり、ユニークなフェイスペイントの男たちあり、とバラエティーに富んでいて楽しい。

やってる人たちも見てる人たちも、楽しそう。
昼下がりの光のなか、なんかキラキラしてる。
そうだよねー、本来こうあるべきよね。

ああ~、もうアフターコロナはすぐそこ。
今日のカーニバルを見ながら、そんなふうに感じました。

直前にもかかわらず

2022年5月18日

先日、旅行日2日前にご予約くださったお客様から、「直前にもかかわらず、良いガイドとドライバーを手配してくれてありがとう」という嬉しい言葉をいただきました。

担当したガイドとドライバーにもお客様の言葉を伝えようとインドネシア語に訳そうとしたものの、“ 直前にもかかわらず ” というのをどう訳せばいいか解らず、日本語の読み書きが達者な担当ガイドにはそのまま日本語で送りました。

しばらくしたら、そのガイドから、“ 直前にもかかわらず ” っていう言い回しはインドネシア語で難しいですねと回答あり。

納得。
ほとんどのことが直前に決まるインドネシアには、この言葉を使うシーンがあまりないんだろうなぁ。うちの長男の幼稚園も「今日は制服じゃなくて私服で」とか「今日は休みです」とか重要事項がその日の朝に連絡があるし ( それに対して他のお母さんたちは「はーい」って感じでふつうだし )、うちのパートナーも他人を巻き込むことでもぎりっぎりまで引き延ばして直前に決めたりするし。

全部が全部そうではないけれど、日本に比べるとはるかに “ 直前率 ” が高い社会。言語って社会に直結しているんだな~と深く感じた一件でした。

シロップ

2022年5月1日

もうすぐ断食月が終わり、長期休暇シーズンを迎えます。この時期、お世話になった人たちに贈り物をする習慣があり、うちにも今いただきもののクッキーが大量にあります。

クッキーと同じくらいたくさんいただいたのが、味付きシロップ。水で割って飲みます。
ストロベリー、パイナップル、メロンなどなどいろんな味があり、細長い瓶に入っています。
インドネシアあるあるの蛍光色+超甘々。
なので、わたし自身は飲まないし、子どもたちにも与えないようにしているので、休暇シーズンが終わったら、まとめて誰かに引き取ってもらおうと思っていたところ…。

きのう、パートナーに来客が3回。
来客の際は、いつもコーヒーを出していたのですが、きのう突然パートナーから「シロップにして」と言われました。
パートナーもお客さんも30代40代の男性。コーヒーの方がいいと思うけどなーと思いながら用意して持って行ったところ、パートナーは3回とも、お客さんも3人とも飲み干してました。

いい歳した男たちが、きれいな色のシロップ片手に真剣に仕事の話。
なんかオモロ…。
ってわたしが偏見のかたまりなだけよね。

去年までは、誰も飲まないと思い込んでいたので、勝手に人に譲渡していましたが、今年はシロップもありがたくいただきます。

スラウェシ島のスイーツ “ ピサン・イジョ ” でおつかれ

2022年4月19日

ジャワ島では4月あたまから断食月に入っており、今ようやく中盤に差し掛かりました。

断食月のあいだ、午後3時ごろになると路上にはいつも以上に多くの物売りが現れます。
そして市井の人々は夕方の断食明けまで時間つぶし兼夕涼みに家族や友達と外をぶらぶらし、路上の物売りからスナックやスイーツを買って帰るというのが定番の過ごし方です。

今年は家の近くの交差点に ” ピサン・イジョ ” というスイーツの販売車が来ています。日本語にすると「緑のバナナ」。蒸したバナナをパンダンリーフの粉で色付けた生地で包み、再度蒸したもので、ブブール・スムスムという面白い名前のジュナンの一種と一緒に食べます。このあたりではほとんど見かけませんが、スラウェシ島マカッサルでは、断食時間明けの食べ物として定番だそうです。

パンダンリーフの蛍光緑、いちごシロップのピンク、バナナの濃いイエロー、ブブール・スムスムの白と何ともインドネシアらしい極彩色のデザート。いちごシロップだけではなく、練乳もたっぷりなので、がっつりねっとりと甘い。太る原因だとわかっているけれど、子どもが寝たあとに密かに楽しむ背徳感と解放感が合わさってハマっています。

販売しているおじさんは、昼のあいだに自分で全部作っているそうで、社会奉仕の一種として断食月のひと月限定で販売する予定だそう ( 断食月には営利目的ではなく、ボランティア精神で活動する人も多く、このピサン・イジョおじさんは、交差点脇のモスクにピサン・イジョを寄付していました )。タッパーにたっぷりと入ってたったの7,000ルピア ( 約60円 )。あと半月、後悔のないように楽しみます!

夜のジャティラン・ダンス

2022年3月27日

ボロブドゥールでジャティラン・ダンスが行われるというので観に行って来ました。
ボロブドゥール村のパフォーマーによる村のための生粋のローカルイベントです。開始は20:00とのことでしたが、ジャティラン・ダンスが始まったのは21:00前。夕方から降り始めた雨も止み、多くの人が集まっていました。

お腹に響くガムランと太鼓の音、女性の音頭取りの甲高い声、周囲の闇のなかで浮かび上がるオレンジの蛍光灯の光、たばこの煙、踊り子の足に付けられた鈴の音。
それらが混ざり合い浮世離れした世界が出来上がっていて、じーっと見ていると心地良い酔い…というか、こんなにいろんな音がしていて眩しい空間にいるのに眠たくなってくる…というか…指先から脱力していくようで、なんとも不思議な気分になりました。

子どもたちがウトウトしてしまったので、30分ほどで一度車に戻り、それからはパートナーと交代で観に行ったため、すべてを観られたわけではないのですが、2時間ほどのあいだにトランス状態に陥る踊り手が続出!
パートナーによると、観客のなかにもトランスに入ってしまった人が出たそうです。それくらい今夜のジャティラン・ダンスは魔力的で熱気に満ちていました。短いお出かけでしたが、とても濃い時間となりました。

ママの制服

2022年3月16日

「それ、ママの制服」
きのう、長男の幼稚園バッグのなかに見慣れないバティックの服が入っていたので、長男に聞いたところ、このように答えた長男。
なんのこっちゃ?と思いつつ拡げてみると確かに大人の女性用の服。

疑問はあるが、おなかを空かせた次男と遊びに行きたいと言う長男を前にしてはそれ以上は追及できず、いったん放置、そして存在を忘れていました。

そして、夜、幼稚園クラスの保護者全員が登録されているWhatsAppグループチャットにこの写真にリプライする形で「●●(長男の名前)くんのママ、●●くんのカバンに服を入れておいたので、確認してね」と連絡あり。
この写真はもともと数日前に、「この3色で用意可能です!」というコメントと一緒に投稿されていたもので、てっきり任意だと思い ( このチャットでは園の重要連絡だけじゃなく、ママ同士のおしゃべりや商品の宣伝も送られてくるので(笑) ) すっ飛ばしていたのですが…どうやらマジで、お母さん全員のための ” ママの制服 ” のようです。定期的に行われる保護者会や誰かの誕生日会などに着用してね、とのこと。

いやー、このバティック総柄のロング丈!着こなせる自信がまったくないっ(笑)!
ジャワの女性はこういう服をヒジャブと長袖のシャツ・細身のズボンなんかを合わせてサラッと着てサマになってるけど、わたしが着たらお笑い芸人みたいになりそう。

これまで2回あった保護者会。保護者の方々も担任の先生もとても良くしてくださっているのは重々承知のうえで、それでもやっぱり社会性にも語学力にも乏しい自分にはハードルが高く、1回目はパートナーが出席し、2回目は次男の体調不良を理由に欠席。次回は長男のために出ようと思ってたけど、正直、この制服の登場でハードルがさらに上がったわー。

でも、外国人であるわたしにも何の疑問もなく もしくは 「どうする?あの人にも用意する?」って気にかけてくれて 用意してくれたものだと思うと、無下にはできないなー。でも、自分が持ってるどの服と合わせたらいいのかさえ見当もつかない。

それにしても、制服って高校以来?まさかこの年で制服、しかも意外なところから来たな。

インドネシア語のP

2022年3月10日

ここ数週間で、日本語のキーボードが壊れました。
2つも同時に。

1つは「S」が、もう1つは「P」が全く反応しなくなりました。
どちらも購入してから5年以上は経っていて経年劣化なので仕方ない。新しいのを買いたいけど、インドネシアで日本語のキーボードは(ほぼ)購入できない。電化製品を国際郵便で送ってもらうのにも抵抗がある。今はまだほとんど仕事も戻ってきていなくて、パソコンを使う時間も1日で3時間あるかないか…それならとりあえず壊れたキーボードで何とか凌いで、コロナ明けに日本に行った時に日本語のキーボードを買おうと思い、じゃあどちらのキーボードを使おうかとPとSを天秤にかけた結果…日本語でパピプペポが入る単語なんてほぼないでしょ!とPのキーボード一択。

ところが、先日旅行に行ったときに撮った観光地の説明パネルをグーグル翻訳で訳して読もうとしたら、インドネシア語、P多っ!
Pが出てくる度にワードに貼り付けておいたPをコピペしているのですが…あまりのPの多さにギブアップ。地名や物の名前にも接頭辞にもP!

日本語キーボードは一旦諦めよう。インドネシア語 ( …というか英語。インドネシアのキーボードは英語のキーボードと同じ配列 ) でいいから壊れていないやつをちゃんと使おう…ということでオンラインショッピングで注文しました。

インドネシア語のPよ。キーボード購入の背中を押してくれて、ありがとう。

【 後日談 】
注文してから5日ほどで届きました。
キーボードを押したとおりに入力されるって快感!
でも並びが違うと、やっぱり入力の手が止まる回数が多い。とくにEnterキーとBackspaceキーの場所が違うのが…。慣れるまでにちょっと時間がかかりそう。
今のうちにタイピングを繰り返して指に覚えさせないと。

SidoMuncul中毒

2022年2月17日

1週間弱、体調を崩しています。
最初は喉の痛みから来て、喉の痛みが引いたら今度は鼻水とくしゃみ。時期が時期なので念のため抗原検査をしたらコロナは陰性だったし、熱は出ていないので医者には行かず、自然治癒を試みています。
子どもをみているので薬で眠くなったら困るなーと思い、薬ではなくジャムゥ ( インドネシアの漢方 ) で。行商のジャムゥやジャムゥ専門店で生ジャムゥを飲むのが一番いいのですが、なかなか生ジャムゥの機会がなく、もっぱらインスタントジャムゥのSidoMunculです。ディーン・フジオカの奥さんの一族が経営する、インドネシアで一番有名なインスタントジャムゥです。今まで味見でしか飲んだことがなかったので、今回初めて飲んだときは、味が強すぎて飲みきれませんでした ( ただし、後日、パートナーがグラスに2袋も入れていたことが判明 ) が、毎日何回か飲むうちにすっかり頼りになる存在になりました。漢方なので即効性はないのですが、口に含んだときの薄荷の香りが鼻孔を抜ける感覚がヤミツキになってます。1袋 Rp 4,000前後 ( 売ってる店によってちがう )、村の小さな雑貨店でも薬屋でも買えるので、風邪の状態でも簡単に手に入れることができる。おそるべしSidoMuncul。パッケージを見てみると鼻水用のものや子ども用のもあるようです。

工場はスマランにあり、自宅から2時間ほど。個人の見学は受け入れていないようですが、学校や企業の団体見学は可能だそうです。いつか何とか機会を作って行ってみたいなー。