ボロブドゥール・ライフ」カテゴリーアーカイブ

カーニバル in ボロブドゥール

2022年6月3日

先日5月29日(日)にボロブドゥールでは、Gelar Budaya Wanurejo というカーニバルがありました。
ボロブドゥール郡にあるワヌレジョ村が主催する1年に1回のカーニバル。
コロナで数年お休みした後、今年は満を持して復活。

ルートは、ボロブドゥールのバスターミナルからワヌレジョ村のバルコンデスまで ( ちなみに、この村のバルコンデスはボロブドゥール寺院が遠望でき、ごはんも美味しいです )。大通りを盛大に行進するらしい。…ということで息子たちを連れて見に行ってきました。
12:50ごろからボロブドゥール寺院の入口付近で陣取っていると人がどんどん集まってきて大混雑。
そうだよな~、もともと集まるのが大好きな国民性。なのに、2年間ずっとこういう娯楽とは無縁だったもんね。

13:00にスタートとのことでしたが、13:00を過ぎても目の前の道路はバンバン車やバイクが走り続けていて、一向に始まる気配なし。インドネシアあるあるです。物事が時間どおりに始まることが非常に少ない。カーニバルの先頭が見えたのがようやく14:00を過ぎたころ。炎天下にもかかわらず沿道には大勢の人が詰めかけていました。
3m前後もある大きなハリボテが次から次へと行進してきます。うーん、なんかどれも手作り感はんぱない(笑)。村の人たちが何日もかけてゆーっくりマイペースに、その辺にあるものを駆使して作ったんだろうなっていうのが目に浮かびます。盛装した村長が馬に乗っていたり、村一番の美人がちんまりと座る駕籠あり、ニワトリの格好をした子どもたちあり、ユニークなフェイスペイントの男たちあり、とバラエティーに富んでいて楽しい。

やってる人たちも見てる人たちも、楽しそう。
昼下がりの光のなか、なんかキラキラしてる。
そうだよねー、本来こうあるべきよね。

ああ~、もうアフターコロナはすぐそこ。
今日のカーニバルを見ながら、そんなふうに感じました。

直前にもかかわらず

2022年5月18日

先日、旅行日2日前にご予約くださったお客様から、「直前にもかかわらず、良いガイドとドライバーを手配してくれてありがとう」という嬉しい言葉をいただきました。

担当したガイドとドライバーにもお客様の言葉を伝えようとインドネシア語に訳そうとしたものの、“ 直前にもかかわらず ” というのをどう訳せばいいか解らず、日本語の読み書きが達者な担当ガイドにはそのまま日本語で送りました。

しばらくしたら、そのガイドから、“ 直前にもかかわらず ” っていう言い回しはインドネシア語で難しいですねと回答あり。

納得。
ほとんどのことが直前に決まるインドネシアには、この言葉を使うシーンがあまりないんだろうなぁ。うちの長男の幼稚園も「今日は制服じゃなくて私服で」とか「今日は休みです」とか重要事項がその日の朝に連絡があるし ( それに対して他のお母さんたちは「はーい」って感じでふつうだし )、うちのパートナーも他人を巻き込むことでもぎりっぎりまで引き延ばして直前に決めたりするし。

全部が全部そうではないけれど、日本に比べるとはるかに “ 直前率 ” が高い社会。言語って社会に直結しているんだな~と深く感じた一件でした。

シロップ

2022年5月1日

もうすぐ断食月が終わり、長期休暇シーズンを迎えます。この時期、お世話になった人たちに贈り物をする習慣があり、うちにも今いただきもののクッキーが大量にあります。

クッキーと同じくらいたくさんいただいたのが、味付きシロップ。水で割って飲みます。
ストロベリー、パイナップル、メロンなどなどいろんな味があり、細長い瓶に入っています。
インドネシアあるあるの蛍光色+超甘々。
なので、わたし自身は飲まないし、子どもたちにも与えないようにしているので、休暇シーズンが終わったら、まとめて誰かに引き取ってもらおうと思っていたところ…。

きのう、パートナーに来客が3回。
来客の際は、いつもコーヒーを出していたのですが、きのう突然パートナーから「シロップにして」と言われました。
パートナーもお客さんも30代40代の男性。コーヒーの方がいいと思うけどなーと思いながら用意して持って行ったところ、パートナーは3回とも、お客さんも3人とも飲み干してました。

いい歳した男たちが、きれいな色のシロップ片手に真剣に仕事の話。
なんかオモロ…。
ってわたしが偏見のかたまりなだけよね。

去年までは、誰も飲まないと思い込んでいたので、勝手に人に譲渡していましたが、今年はシロップもありがたくいただきます。

スラウェシ島のスイーツ “ ピサン・イジョ ” でおつかれ

2022年4月19日

ジャワ島では4月あたまから断食月に入っており、今ようやく中盤に差し掛かりました。

断食月のあいだ、午後3時ごろになると路上にはいつも以上に多くの物売りが現れます。
そして市井の人々は夕方の断食明けまで時間つぶし兼夕涼みに家族や友達と外をぶらぶらし、路上の物売りからスナックやスイーツを買って帰るというのが定番の過ごし方です。

今年は家の近くの交差点に ” ピサン・イジョ ” というスイーツの販売車が来ています。日本語にすると「緑のバナナ」。蒸したバナナをパンダンリーフの粉で色付けた生地で包み、再度蒸したもので、ブブール・スムスムという面白い名前のジュナンの一種と一緒に食べます。このあたりではほとんど見かけませんが、スラウェシ島マカッサルでは、断食時間明けの食べ物として定番だそうです。

パンダンリーフの蛍光緑、いちごシロップのピンク、バナナの濃いイエロー、ブブール・スムスムの白と何ともインドネシアらしい極彩色のデザート。いちごシロップだけではなく、練乳もたっぷりなので、がっつりねっとりと甘い。太る原因だとわかっているけれど、子どもが寝たあとに密かに楽しむ背徳感と解放感が合わさってハマっています。

販売しているおじさんは、昼のあいだに自分で全部作っているそうで、社会奉仕の一種として断食月のひと月限定で販売する予定だそう ( 断食月には営利目的ではなく、ボランティア精神で活動する人も多く、このピサン・イジョおじさんは、交差点脇のモスクにピサン・イジョを寄付していました )。タッパーにたっぷりと入ってたったの7,000ルピア ( 約60円 )。あと半月、後悔のないように楽しみます!

夜のジャティラン・ダンス

2022年3月27日

ボロブドゥールでジャティラン・ダンスが行われるというので観に行って来ました。
ボロブドゥール村のパフォーマーによる村のための生粋のローカルイベントです。開始は20:00とのことでしたが、ジャティラン・ダンスが始まったのは21:00前。夕方から降り始めた雨も止み、多くの人が集まっていました。

お腹に響くガムランと太鼓の音、女性の音頭取りの甲高い声、周囲の闇のなかで浮かび上がるオレンジの蛍光灯の光、たばこの煙、踊り子の足に付けられた鈴の音。
それらが混ざり合い浮世離れした世界が出来上がっていて、じーっと見ていると心地良い酔い…というか、こんなにいろんな音がしていて眩しい空間にいるのに眠たくなってくる…というか…指先から脱力していくようで、なんとも不思議な気分になりました。

子どもたちがウトウトしてしまったので、30分ほどで一度車に戻り、それからはパートナーと交代で観に行ったため、すべてを観られたわけではないのですが、2時間ほどのあいだにトランス状態に陥る踊り手が続出!
パートナーによると、観客のなかにもトランスに入ってしまった人が出たそうです。それくらい今夜のジャティラン・ダンスは魔力的で熱気に満ちていました。短いお出かけでしたが、とても濃い時間となりました。

ママの制服

2022年3月16日

「それ、ママの制服」
きのう、長男の幼稚園バッグのなかに見慣れないバティックの服が入っていたので、長男に聞いたところ、このように答えた長男。
なんのこっちゃ?と思いつつ拡げてみると確かに大人の女性用の服。

疑問はあるが、おなかを空かせた次男と遊びに行きたいと言う長男を前にしてはそれ以上は追及できず、いったん放置、そして存在を忘れていました。

そして、夜、幼稚園クラスの保護者全員が登録されているWhatsAppグループチャットにこの写真にリプライする形で「●●(長男の名前)くんのママ、●●くんのカバンに服を入れておいたので、確認してね」と連絡あり。
この写真はもともと数日前に、「この3色で用意可能です!」というコメントと一緒に投稿されていたもので、てっきり任意だと思い ( このチャットでは園の重要連絡だけじゃなく、ママ同士のおしゃべりや商品の宣伝も送られてくるので(笑) ) すっ飛ばしていたのですが…どうやらマジで、お母さん全員のための ” ママの制服 ” のようです。定期的に行われる保護者会や誰かの誕生日会などに着用してね、とのこと。

いやー、このバティック総柄のロング丈!着こなせる自信がまったくないっ(笑)!
ジャワの女性はこういう服をヒジャブと長袖のシャツ・細身のズボンなんかを合わせてサラッと着てサマになってるけど、わたしが着たらお笑い芸人みたいになりそう。

これまで2回あった保護者会。保護者の方々も担任の先生もとても良くしてくださっているのは重々承知のうえで、それでもやっぱり社会性にも語学力にも乏しい自分にはハードルが高く、1回目はパートナーが出席し、2回目は次男の体調不良を理由に欠席。次回は長男のために出ようと思ってたけど、正直、この制服の登場でハードルがさらに上がったわー。

でも、外国人であるわたしにも何の疑問もなく もしくは 「どうする?あの人にも用意する?」って気にかけてくれて 用意してくれたものだと思うと、無下にはできないなー。でも、自分が持ってるどの服と合わせたらいいのかさえ見当もつかない。

それにしても、制服って高校以来?まさかこの年で制服、しかも意外なところから来たな。

インドネシア語のP

2022年3月10日

ここ数週間で、日本語のキーボードが壊れました。
2つも同時に。

1つは「S」が、もう1つは「P」が全く反応しなくなりました。
どちらも購入してから5年以上は経っていて経年劣化なので仕方ない。新しいのを買いたいけど、インドネシアで日本語のキーボードは(ほぼ)購入できない。電化製品を国際郵便で送ってもらうのにも抵抗がある。今はまだほとんど仕事も戻ってきていなくて、パソコンを使う時間も1日で3時間あるかないか…それならとりあえず壊れたキーボードで何とか凌いで、コロナ明けに日本に行った時に日本語のキーボードを買おうと思い、じゃあどちらのキーボードを使おうかとPとSを天秤にかけた結果…日本語でパピプペポが入る単語なんてほぼないでしょ!とPのキーボード一択。

ところが、先日旅行に行ったときに撮った観光地の説明パネルをグーグル翻訳で訳して読もうとしたら、インドネシア語、P多っ!
Pが出てくる度にワードに貼り付けておいたPをコピペしているのですが…あまりのPの多さにギブアップ。地名や物の名前にも接頭辞にもP!

日本語キーボードは一旦諦めよう。インドネシア語 ( …というか英語。インドネシアのキーボードは英語のキーボードと同じ配列 ) でいいから壊れていないやつをちゃんと使おう…ということでオンラインショッピングで注文しました。

インドネシア語のPよ。キーボード購入の背中を押してくれて、ありがとう。

【 後日談 】
注文してから5日ほどで届きました。
キーボードを押したとおりに入力されるって快感!
でも並びが違うと、やっぱり入力の手が止まる回数が多い。とくにEnterキーとBackspaceキーの場所が違うのが…。慣れるまでにちょっと時間がかかりそう。
今のうちにタイピングを繰り返して指に覚えさせないと。

SidoMuncul中毒

2022年2月17日

1週間弱、体調を崩しています。
最初は喉の痛みから来て、喉の痛みが引いたら今度は鼻水とくしゃみ。時期が時期なので念のため抗原検査をしたらコロナは陰性だったし、熱は出ていないので医者には行かず、自然治癒を試みています。
子どもをみているので薬で眠くなったら困るなーと思い、薬ではなくジャムゥ ( インドネシアの漢方 ) で。行商のジャムゥやジャムゥ専門店で生ジャムゥを飲むのが一番いいのですが、なかなか生ジャムゥの機会がなく、もっぱらインスタントジャムゥのSidoMunculです。ディーン・フジオカの奥さんの一族が経営する、インドネシアで一番有名なインスタントジャムゥです。今まで味見でしか飲んだことがなかったので、今回初めて飲んだときは、味が強すぎて飲みきれませんでした ( ただし、後日、パートナーがグラスに2袋も入れていたことが判明 ) が、毎日何回か飲むうちにすっかり頼りになる存在になりました。漢方なので即効性はないのですが、口に含んだときの薄荷の香りが鼻孔を抜ける感覚がヤミツキになってます。1袋 Rp 4,000前後 ( 売ってる店によってちがう )、村の小さな雑貨店でも薬屋でも買えるので、風邪の状態でも簡単に手に入れることができる。おそるべしSidoMuncul。パッケージを見てみると鼻水用のものや子ども用のもあるようです。

工場はスマランにあり、自宅から2時間ほど。個人の見学は受け入れていないようですが、学校や企業の団体見学は可能だそうです。いつか何とか機会を作って行ってみたいなー。

まいにちサンバル

よく行く食堂のテーブルの上にはいつも麺鉢になみなみと入った数種のサンバルあり。おのおの好きなサンバルを好きなだけ取ってOK

2022年2月2日

遅まきながらその良さに気がつき、ここ数ヶ月ハマっているのが、サンバルです。
元来、辛味はちょっと感じられる程度がいいというタイプなので、これまでサンバルがあってもあえて足すことなくスルーしていたのですがー。

サンバルにハマったきっかけはソトミー・アヤム。この2つのスーパーシンプルなローカルフードに何となく付属のサンバルを入れてみたところ、驚くほど風味とフレッシュ感が増し美味しくなったんです。シンプルな料理だからこそ、サンバルの働きがよくわかったんだと思います。この出会いはインパクト大で、一気にサンバルに傾倒しました。
今ではソトやミー・アヤムだけではなく、冷蔵庫で常に数種類のサンバルを常備し、ナシ・ゴレンや空芯菜炒めを作るときにも唐辛子ではなくサンバルを投入。サンバルは唐辛子だけではなく他にも色々入っているので、辛味だけではなく旨味が増す(ような気がする)んです。

サンバルは家庭や食堂やレストランの数だけあり、味も辛さも千差万別。研究しがいがある食べ物なので、今後もいろんなサンバルを、いろんな場所で、いろんな食べ物とともに試せるのが楽しみです。

ニワトリから学んだこと

2022年1月18日

わたしがボロブドゥールで生活を始めて驚いたことの一つが「ニワトリ」。村の人たちは個人でニワトリを放し飼いで飼っていて、ニワトリが道でも庭でも自由に闊歩しています。ニワトリと言っても白いニワトリではなく、英語で言うところのルースター ( 茶色とか赤とか緑とかが混ざっている強そうなやつ )。引っ越してきた当初は彼らの姿を見るたびに「すごい田舎やな…」と思っていたし、近くに来るだけでビビっていましたが、それも今は昔。ニワトリがいる生活にもすっかり慣れました。でもニワトリって愛玩対象ではないし、ところ構わず糞するし、観葉植物に悪さするし、イヤなヤツらだなー、と。

ここ1週間ほど、土が入ったままの大きな観葉植物の植木鉢をガレージに放置していたら、そこに1羽のニワトリが座るようになりました。最初は大雨から逃れるためだけに入ったようですが、今では毎日。そのあたりにいるぶんにはいいけど、生活圏にまで入ってこられるとちょっとな~…ということで、植木鉢の土を抜こうと今朝方ガレージに入ったところ、なんと卵が!

そっかぁ卵を産んで温めてるために毎日来てたのね。迷惑なヤツやなーと思ってたけど、ちゃんと生きてるんやなぁ。
長男も興味津々で見ていて、一緒に卵を収穫し、ニワトリの所有者に渡しました。子どものころにこういうことをちゃんと見られる環境っていうのは、きっとものすごくいいことなんだろうなー、と思いながら。
( ちなみに、村で放し飼いのニワトリから採れた卵はタルー・カンポンと呼ばれ、養鶏所で生産された卵とは区別されています。タルー・カンポンの方が小ぶりで栄養価が高いそうです )
( ちなみに、パートナーによると卵を収穫する場合、全部採ったら母鶏が暴れるそうなので、1つ2つ残すのがポイントだとか。そりゃそうやんなー、母鶏の気持ちわかるよ )

確かにそこは、日陰で涼しいし、食べ物になるようなものはないから他のニワトリはほとんど入ってこないから安心して卵を産めるのかも。そういうことなら、植木鉢の土はそのままで。片づけるべきは、ガレージにあるその他のガラクタですな。

【 後日談 】
先日から卵を孵化させてみようと、3週間ほど卵を取らずに様子を見ていました。
母鶏は朝から晩までほとんど動かず、ずーっと卵を温め続け、きのう、4羽が孵化しました。
「ニワトリにシンパシー感じるなんて、自分やばいな…」と感じつつ、ほとんど飲まず食わずで働き続けた母鶏を見ながら「どの世界でも、どの属性でも子どもを産み育てるのって大変なんだなー」と気づかされました。
翌日から母鶏はもうガレージに来ることもなく、集団に混ざってしまって、識別できなくなってしまいました。
お疲れさま。